「もっとたくさんの人に議会のことを知ってもらいたい」――住民と議会の距離を縮めるため、党派も会派もさまざまな文京区議会議員と住民の有志で9月に初開催した「議会ピクニック」。
今回は前回(9月開催の第1シリーズ)を上回る、のべ56名(議員を含む)の区内外からの参加がありました。
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今回の第2シリーズでは、これまでの参加者の要望にお応えし、文京区議会 11月定例議会の、8つすべての委員会から訪問先を選べるようにしました。
また、開催時間も午前と午後の2パターンから、参加者のライフスタイルに応じて選べるようにしました。
前回のピクニックで「議会との距離が縮まった」と感想を述べた参加者の一人から、初めて議会に提出された請願の審査もありました(11月22日の建設委員会に付託審査されました)。
年齢も職業もさまざまな参加者から、「これまでは疎遠に感じていた議会が、自分ごとに感じられるようになった」「住民のための議会をつくるため、住民と議員が力を合わせていきたい」などの声も聞かれ、確かな手ごたえと第3シリーズへの期待も感じられました。
11月15日の災害対策調査特別委員会では、初めて午後から「議会ピクニック」を開催しました。
正午、計10名の参加者・スタッフと一緒に文京シビックセンター22F・区議会第1応接室に集合。
ランチをしながらの事前説明のち、23F・議会事務局で傍聴受付をし、24F・第1委員会室で委員会を傍聴しました。
傍聴後は再び第1応接室に戻って、解説や意見交換を行いました。前回より参加者が多様化し、初参加の方と前回も参加した方とで、委員会の運営や住民への情報提供の方法など、さまざまな議論が交わされました。
11月13日の子ども・子育て支援調査特別委員会(ガイド:たかはまなおき区議)には、小さな赤ちゃんとそのご両親も参加し「思っていたより身近なテーマが議論されていて安心できた。今後も文京区で子育てを続けたくなった」との感想をいただきました(当日の様子は取材いただいた「JIBUNマガジン(2023年11月号 vol.100)」にも紹介されています)。
また、11月22日の建設委員会(ガイド:沢田けいじ)では、前回の参加者が初めて議会に提出した請願の審査を傍聴しました。
住民の生活に密着したテーマの請願に質問や議論が盛り上がり、各会派の委員の賛否も二つに分かれました。
その結果、採択・不採択のどちらも過半数に届かなかったため、次回2月定例議会の建設委員会で継続審査されることに決定しました。
傍聴後は第1応接室に戻り、委員会に参加した議員(お昼の休憩中)や、別日の「議会ピクニック」を担当した議員と一緒に、ランチをしながら解説や意見交換を行いました。
請願の審査にかかわる過去の経緯や、委員の意見表明のプロセスなど、傍聴だけではわかりにくい内容について解説し、参加者と参加議員のあいだでフランクに意見交換しました。
議論が盛り上がり、予定していた時間では足りなくなりましたが、多くの方から意見や感想をいただきました。
以下は、今回の「議会ピクニック」をとおして寄せられた主な参加者の声です。
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【傍聴して感じたこと】
・「思っていたより身近なテーマを、人間らしく議論していて安心できた。今後も文京区で子育てを続けたくなった」(文京区/30代/女性)
・「傍聴のきっかけになったこと、事前説明を受けて傍聴に臨めたことは全く新しい体験だった。議員の話し方や挙動も間近で見られてよかった」(文京区/30代/男性)
・「委員会室での議員の姿にはそれほど引きつけられなかった。区民の声をそのまま伝えているだけだと専門性を感じないし、「区民目線」を高次に引き上げて議論できる議員でないと行政側(区の職員)にとっても言いくるめやすいのでは?」(文京区/30代/男性)
・「委員会を初めて傍聴した。本会議のような『出来レース』ではないと知らなかったし、本会議よりも楽しめた。もっと多くの人に傍聴してもらいたい」(文京区/40代/女性)
・「行政側の答弁が『検討する』『研究する』ばかりなのに驚いた。建設的な議論にするために、いつ、どうやって検討・研究するかを都度、確認したほうがいい」(文京区/40代/女性)
・「傍聴の重要さを再認識した。同じような質問と答弁が何度も繰り返されるのに驚いた。もっと論点を整理して建設的な議論をしてほしい」(区外/40代/男性)
・「委員会の資料を事前に電子データで公開してほしい。議員はタブレットでペーパーレス化しているのに、傍聴者用の資料は紙のままでもったいない。また、委員会室でスマホが使えるようにしてほしい。分からない言葉をその場で調べられないとモヤモヤする」(文京区/50代/男性)
【「議会ピクニック」に期待すること】
・「身近なテーマで委員会を傍聴できるいい機会。委員会のネット中継が始まったら、近所のカフェや区民館でパブリックビューイング形式でやってほしい」(文京区/40代/女性)
・「傍聴だけだとモヤモヤしたが、傍聴後に議員や参加者と話し合うことでモヤモヤが晴れた。区政への参加意識も高まった」(文京区/50代/女性)
・「個人的な件で請願をしようと考えていたが、前回の議会ピクニックに参加して生の議会の実態に触れたことがきっかけで思い切って実行に至った。審査は次回も継続されるとのこと。また勉強して提案したい。まさに議会との距離が縮まった」(文京区/40代/男性)
・「住民の切実な願いがテーマの請願は勉強になるし、委員会の議論が盛り上がる。ここで議論したことや勉強したことを議会への提案につなげるのも面白い」(区議会議員/40代/男性)
【地方政治に対する意識は?】
・「前回から参加しているが、普段しない政治の話で盛り上がれるのが楽しい。これまでは疎遠に感じていた議会が、自分ごとに感じられるようになった」(文京区/40代/女性)
・「文京区の住民は意識が高い。議員は住民と行政をつなぐ仲介者。地域の代表として、行政や党派・会派におもねることなく住民のために働いてほしい」(文京区/50代/男性)
・「議会は行政でも議員でもなく、住民のためのもの。住民と議会をつなぎ、住民の意見や提案を議会に伝えるプラットフォームにしたい」(文京区/60代/男性)
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次回の「議会ピクニック」は、来年の2月定例議会の委員会にあわせて開催を予定しています。
今後も多様な参加者と議論を深め、議会に提案していきたいと思います。また、他の自治体や都議会・国会等での開催も検討しています。
興味・関心のある方はお声かけください。
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